グローバル化と共に、今後、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やGX(グリーン・トランスフォーメーション)の進展に伴い、AI(人工知能)を使った様々なシステムのデジタル化や車の自動運転などが進んでいきます。それらを実現するためには、最先端半導体デバイスが今後大量に必要になっていくと共に、その高性能化(半導体の線幅がナノメートルサイズへ:1ナノメートルは、髪毛の10万分の1のサイズです。)も要求されていきます。そこで、「プラズマ」の出番です。第4の物質状態である「プラズマ」は、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット型コンピュータ、ノートパソコンなどの中にある半導体デバイスである大規模集積回路(LSI:10万個の部品が入った電子回路)の ドライエッチング(ナノメートルサイズの加工可能)や、コンビニ・銀行のATMやスマートフォンなどのタッチパネル、太陽電池、液晶テレビなどに使われている透明で電気を通す薄膜(透明導電膜と呼ぶ)など半導体薄膜を合成するために、 欠かせない技術となっています。「プラズマ」は、このような最先端エレクトロニクスを支える基盤技術となっています。
本研究室では、カーボン・ニュートラルの実現に向けた「環境にやさしい省エネルギー型の半導体プロセスのための高効率プラズマ処理装置」の開発や「プラズマを用いた機能性薄膜、例えば、超撥水性膜合成を使った熱交換器の高性能化」などに関する研究を行っています。このように、本研究室では、これからの最先端半導体製造に欠かせない「プラズマ」の研究・開発を行うことができますので、是非興味のある方は、ご遠慮なくメールアドレス(ohtsuyの後に@cc.saga-u.ac.jpをつけて下さい。)宛お知らせください。
教員がこれまでの研究成果を著書「高密度高周波容量結合型プラズマの物理(英語版)Intechopen」として出版しました。オープンアクセス(無料:ただし登録必要)にてダウンロードできます。また、スパッタリング材料の有効利用のために開発した回転型レーストラック型マグネトロスパッタ装置として、産業技術総合研究所との連携大学院共同研究で実施してまとめ、国際的な学術雑誌Surface & Coating Technologyに 掲載されました学術論文がカナダのリサーチ社Advances in Engineeringに紹介されました。更に、スパッタ装置に関する最近の研究成果を国際共同研究としてまとめたテキストChapter 5. Characteristics of Novel Rotational Magnetron Sputtering Plasma Sources with Various Magnet Arrangements for Target Utilization Saving ResourcesがNova Science Publishers社にて出版されました。
半導体デバイス作製に広く利用されていますプラズマの発生原理、発生方法、プラズマの計測方法(静電プローブ)などについて、教育セミナーや基礎実験受託などをお引き受けいたします。ご遠慮なくお問い合わせください。学位取得(社会人博士後期課程)等に関しましても、気軽にご相談下さい。少しでもお役に立てればと思います。
最新の研究成果の概要をまとめた資料を作成しました。